アンケートの自由回答の分析方法|手作業とAI活用の使い分け
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アンケートを実施すると、必ずたまっていくのが自由回答(フリーコメント)です。
「読んではいるけれど、分析まではできていない」「量が多すぎて、どこから手をつければいいかわからない」という声を、本当によく伺います。
自由回答には、満足度やNPS®のスコアだけでは見えない“なぜその評価になったのか”が書かれています。
読むだけで終わる自由回答を、改善に使える情報へ変えることができれば、改善の優先順位や自社の強みが見えてきます。
この記事では、アンケート自由回答の分析方法を、手作業で行う方法とAIを使う方法の両方から解説し、件数に応じた使い分けの目安まで紹介します。
- 自由回答を分析する基本の流れ
- 手作業で分析する方法
- AIを使って効率化する方法
- 件数に応じた使い分けの目安
- 分析結果を改善につなげるコツ
自由回答は「スコアの理由」が書かれた宝の山
満足度やNPS®のスコアは、あくまで結果を教えてくれるものです。
一方で、なぜその点数になったのかまでは教えてくれません。
その理由が書かれているのが、自由回答です。
- なぜ高く評価されたのか
- どこに不満があったのか
- 何が再利用・再来店の理由になっているのか
- どの場面で期待を下回ったのか
こうしたことは、自由回答を見ないとわかりません。
自由回答の分析とは、この声の山の中から、「何を変えれば喜ばれるか」、「何が選ばれている理由なのか」を取り出す作業です。
分析の基本の型は「分類→集計→代表の声」
手作業でもAIでも、やることの基本は同じです。
流れは、分類→集計→代表の声の3段階で考えると整理しやすくなります。
1. 分類(アフターコーディング)
コメント1件1件に、内容を表すテーマを付けます。たとえば「朝食」「接客」「価格」「清潔感」「アクセス」などです。
2. 集計
テーマごとの件数と、ポジティブ・ネガティブの割合を数えます。
ここで、どのテーマの声が多いのか、どこに不満が集中しているのかが見えてきます。
3. 代表の声の抽出
各テーマから、典型的な原文を2〜3件選びます。
報告書や会議で説得力を持つのは、数字だけではなく実際のお客様の言葉です。
ポイント: 集計値だけでは現場は動きません。原文が入ると、会議の空気が変わります。
手作業での分析方法(〜50件の目安)
月に数十件程度であれば、Excelやスプレッドシートで十分に対応できます。
量が少ないうちは、むしろあえて手作業で読む価値があります。
手作業で進める基本手順
- 1行1コメントの表を作る
日付、点数、コメントを並べます。 - 右隣に「テーマ」列を作る
コメントを読みながら、「朝食」「接客」「価格」などのテーマ名を入れます。1件に複数テーマが含まれる場合は、行をコピーして分けても構いません。 - さらに隣に「+/−」列を作る
ポジティブかネガティブかを付けます。 - ピボットテーブルや並べ替えで、テーマ×+/−を集計する
- 各テーマごとに、代表的な原文を2〜3件抜き出す
手作業の利点
手作業の最大の利点は、全件を自分の目で読むことです。
数字だけでは見えないニュアンスや、現場の空気感をつかみやすくなります。
件数が少ない段階では、効率だけを求めず、現場感覚を磨く時間として読むことをおすすめします。
AIを使った分析方法(50件を超えたら)
件数が50件を超えてくると、手作業だけでは時間がかかります。
そういうときは、ChatGPTなどの生成AIに1次分類を任せると効率が上がります。
AIに向いている作業
- コメントのテーマ分類
- ポジティブ/ネガティブの仮判定
- テーマごとの要約
- 代表コメント候補の抽出
- 改善テーマの優先候補出し
以下はお客様アンケートの自由回答です。次の手順で分析してください。 ①コメントをテーマ別に分類する(テーマは内容から自動で設定) ②テーマごとに、件数と、ポジティブ/ネガティブの内訳を表にする ③件数の多いテーマ上位3つについて、代表的なコメント原文を各2件引用する ④最後に「最初に改善すべきテーマ」を理由付きで1つ提案する 【自由回答】 (ここにコメントを貼り付け。個人情報は削除しておく)
AI活用で大切なこと
AIは便利ですが、分類や要約を鵜呑みにしないことが大前提です。もっともらしく見えても、読み違いや雑なくくり方をすることがあります。
だからこそ、AIは下ごしらえ担当、最終判断は人、という使い方が安全です。
さらに大量なら、テキストマイニングツールを併用する
数千件規模の定点調査や、毎月継続して大量の自由回答が集まる場合は、生成AIだけで回すよりも、専用のテキストマイニングツールを併用したほうが安定します。
定点観測や継続比較はツールが得意です。
一方で、意味づけや改善の示唆出しはAIや人のほうが強い場面もあります。
そのため、実務では
- 定点集計はツール
- 解釈と改善案はAIと人
という役割分担が現実的です。
件数別の使い分けの目安
件数によって、向いているやり方は変わります。目安としては次の通りです。
| 件数の目安 | おすすめの方法 | ポイント |
|---|---|---|
| 〜50件/回 | 手作業(Excel・スプレッドシート) | 全件読む。現場感覚が育つ |
| 50〜500件/回 | 生成AIで1次分類+人が確認 | AIの結果を原文で裏取りする |
| 500件超・毎月継続 | テキストマイニングツール+AI併用 | 定点観測はツール、解釈はAIと人 |
分析を「改善」につなげる2つの習慣
自由回答の分析で終わってしまう会社は多いです。成果につなげるには、分析のやり方だけでなく、使い方の習慣が大切です。
習慣1:月1回、原文を共有する場を持つ
集計表だけを回覧しても、現場はなかなか動きません。
一方で、お客様の原文をそのまま共有すると、改善が一気に自分ごとになります。
特に、お褒めの声を共有することは、スタッフのモチベーション向上にも直結します。
習慣2:改善テーマは1回に1つに絞る
あれもこれも手をつけると、全部が中途半端になります。
最初は、「最も声が多く、かつ自分たちで変えられること」を1つ選ぶのがおすすめです。
そして、翌月のアンケートで、その声が減ったかどうかを確認する。この小さな改善サイクルが、結局いちばん強いです。
実務で効く考え方: 改善テーマを増やすより、1つ決めて翌月に変化を見る。地味ですが、これが最短距離です。
自由回答分析で注意したい3つのポイント
- 個人情報は削除してからAIに渡す
氏名、連絡先、予約番号など、個人を特定できる情報は削除してから扱います。 - AIの分類・要約は必ず原文で確認する
AIは便利ですが、分類や要約に誤りが混じることがあります。最終確認は必ず原文で行いましょう。 - ネガティブだけでなくポジティブも分析する
ポジティブな声には、選ばれている理由、つまり強みのヒントが詰まっています。
まとめ
- 分析の型は「分類→集計→代表の声」の3段階
- 〜50件は手作業、件数が増えたらAI活用、さらに大量ならツール併用が目安
- 原文の共有と改善テーマは1つで、分析を成果につなげやすくなる
- 大切なのは、分析して終わりにしないこと
アンケート設計から学びたい方へ
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あわせて、NPS®の基礎を知りたい方は、以下のページもご覧ください。
まずは基礎から整理したい方へ
書籍で全体像をつかみつつ、NPS®の基本や関連情報を確認しておくと、自由回答分析の位置づけも見えやすくなります。
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そのような場合は、コンサルティングメニューまたはお問い合わせからご相談ください。
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